こんにちはオガワ(@misc_log)です。
とても楽しみにしていたAirPods Maxがようやく手元にやってきました。
税込み約7万円という価格と、そのデザイン性には様々な意見が飛び交う話題の製品ですが「実際どうなのよ?」と、気になっている人は多いはず。
ということで、この記事ではApple純正としては初のヘッドホン「AirPods Max」をレビューします。
ざっくり結論を言いうと、音質もノイキャン性能も素晴らしい仕上がりになってます。少なくともAirPods Proとは比べ物になりません。
ただし「音質」という意味では、他ワイヤレスヘッドホンと強烈な差があるものではないと感じました。
AirPods Max独自の価値や、優秀な部分をどう感じれるか、Appleエコシステムの住人かどうか、がポイントの製品。
僕はこれまでSONYのWH-1000XM3を使っていたのですが、AirPods Maxにリプレイスしました。
なので、WH-1000XM3と比較をしつつ、機能や使用感、買ってどうだった?ということについて書いてます。
AirPods Maxを検討している人の参考になれば。
AirPods Maxの特徴
AirPods Maxはノイズキャンセリングを搭載した密閉型のワイヤレスヘッドホン。
ざっくりどんなものかと言うと、大きいAirPods Pro。できることは一緒です。
一概には言い切れませんが、基本的に物理サイズの大きさは機能・性能面で有利になります。ドライバも大きくできるし、センサーやチップも複数積めるはずなので。
その恩恵もあって、AirPods MaxはAirPods Proよりノイキャンも強烈で音質も圧倒的に良いです。
その一方で、運用における手軽さは失われ、利用シーンが変わった。個人的にはそんな製品だと思います。
AirPods Maxのスペック
カラー | シルバー、スペースグレー、スカイブルー、ピンク、グリーン |
接続 | Bluetooth 5.0 |
ドライバ | 40mm |
チップ | H1(片側1つずつで計2つ) |
バッテリー(ノイキャン/外音取込) | 1回の充電で最大20時間(5分の充電で約1.5時間の再生) |
バッテリー(空間オーディオ) | 1回の充電で最大20時間 |
バッテリー(通話) | 1回の充電で最大20時間 |
充電端子 | Lightning |
重量 | 約384g |
付属品 | USB-C to Lightning、Smart Case |
価格 | 61,800円(税別) |
もちろんただのデカいAirPods Proだと悪口を言いたいわけではなく、グローバルトップシェアのイヤホンであるAirPods、AirPods Proの優れた技術を、ヘッドホンにスケールさせ、新たなカテゴリでも存在感を示した製品という感じ。
複数のセンサーを使って状態を把握し、超高性能チップで桁違いの演算処理をして音を調整するという、Appleのお家芸とも言える優れたAIテクノロジーを使った「音の体験」を楽しめるヘッドホンです。
AirPods Max レビュー
AirPods Maxの箱や付属品、そして、あまり評判の良くない?外観デザインから。
箱・付属品
なんか初めての箱で届きました。真ん中から2つに割れるパターン。
AirPods MaxのパッケージはいつものシンプルなApple製品。
開封するとSmart Caseに入ったAirPods Max。
AirPods Maxを出すと、下にはいつものDesigned byのやつ。
その下からみんな大嫌いLightningケーブル。ちなみに、USB-C to Lightnigケーブルです。
付属品は以上。
ちなみに、AirPods Maxは電源アダプタが付属しません。AppleのWebサイトでAirPods Maxをカートに入れると同時に20W電源アダプタをおすすめされるので、20W以上が推奨なんだと思います。
7万払った後にホントかよって感じですが、持っていなければ買う必要があります。純正買うと高いのでAnkerのがいいと思います。
外観・デザイン
デザイン・形状については好みがあると思いますが、そこは置いといて、全体的な質感や高級感は最高。
僕はスペースグレイ信者なのでスペースグレイを選択。
イヤーカップはアルミ製でマットな質感。iPhone11、12の背面のテクスチャードマットガラスっぽい感じ。
このラグジュアリーさはニヤニヤするレベル。ヘッドホンにラグジュアリー感が必要なのかどうかは知りませんが、僕には刺さりました。
WH-1000XM3も高級感あると思ってましたが、金属製を見ちゃうとAirPods Maxの圧倒的勝利ですねこれは。
右側のイヤーカップ上部にはデジタルクラウンとノイズコントロールボタン。
クラウンで音量や再生/停止などのコントロール。ノイズコントロールボタンはノイズキャンセルと外音取込モードの切り替えが可能。
ちなみに、同じく右側のイヤーカップにLightningポートもついており、ボタン類やポートなど全て右側にまとまっているようです。左側のカップには何もありません。
次にイヤークッション側。
イヤークッションはふっかふか。クッション性が高くとても柔らかい触り心地。長時間装着の負荷を軽減してくれます。
また、これだけクッション性が高ければメガネも大丈夫だと思います。少なくともサングラスでは普通に使えました。
イヤークッションは合皮が多いイメージですが、ファブリックっぽい素材が採用されてます。これは、つけ心地を重視した結果なのかもしれませんが、汚れが少し気になるところ。
まあ、ヘッドホンである以上ここは消耗品なので、もちろん交換用イヤークッションも販売されます。
ワンセット6,800円(税別)しますが、他メーカーでも純正品はそれなりにするので、本体価格とは異なりめちゃくちゃ高いわけではない印象。
あと、多分サードパーティがいろいろ出てくると思います。密閉性をより向上させるものとかも出てくると思うので、今後が楽しみなところ。
アームはステンレススチールが使われており、ここも果てしない高級感。
アームは手で簡単に伸び縮みさせることができ、頭の形に合わせ調整して使います。
そのままアームを登っていくとヘッドバンド。ここはなんとメッシュ素材。
大きく伸縮する非常に柔らかいメッシュが使われており、頭への負荷を軽減してくれます。
ただ、メッシュとなると気になるのはダメージ。1年もするとボロボロになりそう。しかも別売りパーツではなく修理案件になると思うので、注意を払って使ったほうがいいかも。
イヤーカップは90度回転するので、回してから使用します。
形状に関しては賛否両論ありますが、そこまで悪いかな?って感じしますけどね。
AirPodsもさんざん「うどん」と言われてましたが世界で一番売れたイヤホンとされてますし、さんざん「タピオカ」と言われた3眼カメラのiPhone 11 Pro / Pro Maxは2019年の出荷台数ランキングだと結構な数が出荷された機種ですからね。
なんだ、みんな実はそんなに悪いと思ってないんじゃないか。
ケースは改善を期待したい
ただ、さすがにこれはどうなんでしょう。
本体デザインは世間の評価に反して(?)僕は悪くないと思いましたが、ケースはデザインも微妙だし、そもそもケースとしての機能を果たしてないです。
ハウジング周りはガードしてると言えますが、ヘッドバンドはむき出しだし、このままカバン入れたくないですよね。ケースのケースが欲しい。
WH-1000XM3はヘッドホンを折り畳めて、かつ、ハードケースがついてます。
ケースに収納した状態の大きさで言うとそう変わらないですが、圧倒的に持ち運びしやすい形のSONY。
WH-1000XM3は旅行に持っていこうかなって気になりますが、AirPods Maxはもう見た目で「あ、これ持って行きたくないわ」って思うじゃないですか。
一方で、ケースそのものの質感や作りは上質でいい感じです。
マグネットでパチっと止まり開閉はしやすい。
ケースをつけたまま充電もできるようになってます。
いや、大変な思いをして作ってるのはわかるんですけど、このSmart Caseなるものはもう少しなんとかしてほしかった。
そのうちサードパーティーでもっと実用的なケースが出るとは思いますが、構造上そこまで小さくはならないため、持ち運び性能は皆無です。
重量の割に心地よい装着感
AirPods Maxの装着感・つけ心地は素晴らしい。ここは大きく評価できるポイント。
AirPods Maxは348gと重いですが、重心のとり方、メッシュ素材のヘッドバンド、ファブリックでふかふかなイヤークッションのおかげか、長時間装着も余裕。
個人差あると思いますが、2時間程度つけていても全然余裕でした。映画1本は普通に見れます。
ただ、3時間超えてくると、圧で耳と顎の間が痛くなってきます。まあこれは他のヘッドホンでも僕はなるし、何だったらもっと早く痛くなるものもあるので、AirPods Maxは優秀だと思います。
とはいえ、重さを感じないかというとそんなことは全然なくて、やっぱりズッシリきます。
金属を使用しプレミアムな雰囲気を出した代償は、ちゃんと重量としてのしかかってます。
WH-1000XM3をつけると「うわ、軽い」と思いますからね。
ただ個人的にはこれまでと同じか、それ以上の時間使っていても全然問題ないので、重量の割には優れた装着感で、長時間使用に耐えうるヘッドホンだと思います。
開発陣も重いってことはもちろん認識した上で、あらゆるテストと調整を加えて得た成果なんでしょう。
気になるのは、イヤークッションやヘッドバンドなど、ダメージが気になる素材が採用されているので、着用する際に気を使うってことですね。
音質はどう?やっぱり微妙?
音は正直そんな期待できないだろうなと思ってたんですが、AirPods Maxの音は期待以上でした。
もちろんですが、AirPods Proとは比較になりません。
どの音域もナチュラルで素直な音というか、どんな音楽でも幅広く聴けるような調整がされている印象。
大きければ良いというものではないですが、40mmドライバを搭載したことで音の表現力は間違いなく豊かになってます。
また、AirPods Maxは、Apple製のH1という毎秒90億回の演算処理が可能なチップをそれぞれのイヤーカップにひとつずつ、計2つ搭載してます。
同じくイヤーカップに搭載された各センサーやマイクが装着状態などを判定、それをもとにH1チップがオーディオ全体をコントロールし最適化して耳へと届けます。
これをAppleは「コンピュテーショナルオーディオ」と呼んでおり、それによってもたらされた成果が、音質も含めた「AirPods Maxサウンドの全体像」だろうと思います。
チップやソフトウェアによって戦おうとするテック企業ならではの技術ですが、そこから放たれるクリアで精細な音は聴いていてとても心地良い。ボーカルの息遣いから表情まで見えてくるようなそんな感覚があるサウンド。
個人的にはWH-1000XM3と比較しても、AirPods Maxの方が良いと感じました。
良いか悪いかというより「どっちが好み?」という話ですが、個人的にはAirPods Maxのほうが好み。
ただね、じゃあそこだけで数万円の価格差が妥当かというと、それはないかなというレベル感。
なんかいろいろ言った後であれなんですけど、結局は、そんなに大きな差があるとは思えない。まあもちろん僕が感じられないだけもしれませんけどね。
また、あくまでも競合するのは同タイプのワイヤレスヘッドホンであって、有線の高級オーディオ製品とは別の世界のものだと思います。
高いレベルの音だとは思いますが、価格に対する妥当感は音からだけでは感じないかな。
強烈なノイズキャンセリング
ノイキャンすっごいです。没入感が半端じゃない。
もちろん何もかも無音になるなんてことはないですが、どんな音もAirPods Proより高いレベルで消してます。
それもそのはずで、AirPods Maxは密閉型ヘッドホンにカテゴリされるものであり、イヤホンより遮音性が高いのは当然。
イヤーカップが耳を覆って密閉し、バンドで押さえつけますからね。
そこに加えてアクティブノイズキャンセリングが有効になるわけですが、そこにもAirPods Maxならでは仕組みがあります。
AirPods Maxは周囲の音を検知する外向きマイクをイヤーカップ片方につき3つ内蔵してます。
加えて、ひとつの内向きマイクを備え、内側の音も測定。これにより様々なノイズをきちんと拾って打ち消すわけですね。
AirPods Proに比べると物理サイズが大きいため、こういうリッチな実装もできちゃうわけで、それに伴いノイキャン性能も高くなってるんだと思います。
これは外で使うと完全に危ないやつです。移動中はノイキャンOFFにして、周りに危険がない落ち着ける場所でのみノイキャンを使うべき。
僕は書斎で集中のためのソリューションとして使うことがメインですが、自宅内の生活音を消すという意味ではWH-1000XM3と大きな差はないという感じ。1000XM3も相当強烈なノイキャン性能ですからね。
屋外で比較するとまた違うのかもしれません。
また、人によっては圧が強すぎると感じるかもしれないので、検討している人は一度実機に触って試してみたほうがいいと思います。
飛び抜けた性能を持つ外音取り込み
この外音取り込みは性能が飛び抜けてます。WH-1000XM3より圧倒的に良い。
スピーカーを通した音という違和感を極限まで押さえ、非常にクリアで自然な音を聞くことができます。
イヤーカップで耳が密閉されているはずなのに外の音があまりにも自然に入ってくるため、いい意味での違和感を感じます。こんなに聞こえるはずないのに聞こえるみたいな。
もちろん、多少はスピーカー音がありますが、他製品と比べるとAirPods Maxの外音取込は超絶優秀だと思います。
唯一無二の価値をもつ空間オーディオ
これはぜひ体験してもらいたい。
いわゆる3Dオーディオと呼ばれるもので、前後左右あらゆるところから音が聞こえてくる機能。
AirPods Proでも体験できますが、やはりそこはヘッドホン。没入感や臨場感が全然違います。Apple TVで映画をいくつか見ましたが、迫力のあるサウンドが様々な方向から飛び込んでくるあの感覚は癖になる。
ただ、Apple TV+の中の限られたコンテンツじゃないと空間オーディオに対応していないので、それが残念。
操作性
デジタルクラウン、ノイズコントロールボタンの操作も快適。
デジタルクラウンを採用したのは「なるほど!」って感じですが、それよりも物理ボタンやっぱ良いって思いましたね。
WH-1000XM3はタッチ操作なので、どうしても操作ミスと微妙なラグが気になります。
タッチのほうが未来感あってカッコいいんですが、実用的には物理ボタンにかなわないです。
ちなみに、デジタルクラウンをどちらに回すと音量がどうなるかは設定で変更できます。
他にも、何かのアプリを別途インストールする必要なく、iPhoneであればOS標準の機能で設定やコントロールが可能。
アプリ入れたりするの面倒くさいし、起動もダルいし、なんか不安定だし、、みたいな思いをしなくて済むのは大きなメリット。
アルティメット過ぎるAppleデバイスとの連携力
おなじみの簡単接続。iPhoneに近づけて接続をタップするだけ。
ペアリングは以上。これで、同じiCloudアカウントにサインインしているAppleデバイスに、一斉にAirPods Maxが登録されます。
Macだけはクリックして選択が必要ですが、iPhoneとiPad間などは、操作デバイスが変われば自動で接続を切り替えてくれます。
これなんですよ、これにヤラれている人は多いはず。Appleエコシステムはどうしようもないくらい便利なんです。入れたくもないアプリをインストールする必要もありません。
たまに意図せず接続先が変わってしまうなんていう微妙な事態も発生するわけですが、それでもやっぱり便利。
ちなみに、WH-1000XM4にはマルチポイント接続という2台の機器に同時接続する同じような機能が搭載されてますが、AirPods Maxは2台に限定せず、同じiCloudアカウントにサインインしている全てのデバイスに接続できます。
バッテリー持ち
ノイキャン使用で3時間連続再生をして約12%減だったので、公称値の20時間以上はもちそうですね。
他社製品に比べると特別長くはないですが、まあ必要十分であるとは思います。
20時間以上持てば乗り継ぎの多い渡航でも、だいたいのところには行けるでしょうきっと。
充電端子がLightningなのはもう触れるのもめんどくさいんですけど、個人的にはワイヤレス充電搭載して欲しかったなと。
ヘッドホンを充電するのってめんどくさいんですよね。スタンドとか使っても充電用ケーブルのおさまりがどうにも悪く、LightningでもUSB-Cでもいちいち挿すのがめんどくさいので、最悪Lightningでいいからワイヤレス充電ができたら最高でした。
その他、バッテリー周りでは、電源ON、OFFという概念がないのには驚きました。
ヘッドホンを外すとそれをセンサーが察知して電力をあまり使わないように調整。その省電力状態には段階があって、時間経過や例のSmart Caseにしまうと、超低電力状態となりバッテリーをほぼ使わないモードに移行するよう。
電源ON/OFFする手間なく、すぐに使い始められるので個人的にはポジティブな機能だなと思いました。
AirPods Maxは結局どうなの?買ってよかった?
最後に、結局買ってどうだったの?と聞かれれば、僕は満足しました。
まあなんだかんだ、さすが時価総額世界一の会社が作る製品ですよ。完成度高い。
僕は自宅(リモートワーク)使用がメイン。仕事中にエアコンや空気清浄機、その他の生活音を消して作業したいのと、プライベートでは音楽や動画に集中したいときに使います。
もちろんAirPods Proでも良いんですが、自宅にいるときは没入感や音質という意味でヘッドホンを使うことが多い。
これまで使っていたWH-1000XM3は、音楽再生のマルチポイント(2台の同時接続)に対応していない機種だったので、いちいち接続先の切り替えが必要でした。
それがAirPods Maxにリプレイスしたことで、多くのAppleデバイスで使うことがめちゃくちゃ楽になりました。
持ち運び性能が皆無である点は気になるものの、自宅使用がメインなのでまあ我慢できるかなという感じ。
また、いくら自宅でも常時ノイキャンONにしておけないので、優れた外音取り込みモードによって違和感なく使い続けることができるようになったのも嬉しい。1000XM3はもろにスピーカー音がしてましたから。
「もうすぐ宅急便くるはずだから、ノイキャンOFFにしとこう」みたいなときも、心地良い音楽を聴けます。
あとはZoomなどでの会議にもAirPods Maxが稼働。マイク音質が良さそうなのでここは改めて検証してみたい。
そして、高級感と、好きなブランドの製品を買ったんだという自己満足も僕にとっては重要。
というわけで、個人的には満足しました。1000XM3を手放して、メインのヘッドホンとして使おうと思います。
AirPods Max レビュー まとめ
というわけで、AirPods Maxをレビューしました。
なんだかんだ言っても、音質、ノイキャン、外音取り込みなどのサウンド体験に加え、装着感、高級感などなど、総合的にはAppleブランドの製品としてふさわしい仕上がりになっていると感じました。
初めてのヘッドホンでこれが出てくるとはAppleやっぱすごいなと思いましたが、値付けもすごいなとは思いました。
最後に良いところとイマイチなところをまとめます。
AirPods Maxはこれが第一世代ですから世代を重ねる毎により洗練され、さらに進化していくはずです。
そういう意味では、焦らず第二世代以降を待つのも良い選択だと思いますが、オーディオ環境を変えたい!という人は思い切って検討してみてはどうでしょうか。
高い、ひたすらに高いですが、それでもやっぱいいですよAirPods Max。
ということで、今日は以上です。それではまた。
コメント