こんにちはオガワ(@misc_log)です。
人は一生のうち、一年くらいを何かを探す時間に費やしている
探し物を「音」で見つける。世界230の国と地域で展開する米国シェアNo.1スマートトラッカー(忘れ物防止タグ)「Tile」CEOインタビュー
と、紛失防止タグの先行者であるTileの社長が言ってました。
それが事実なのかどうか知りませんが、「あれ、鍵どこだっけ」みたいなことは、多くの人が経験しているんじゃないでしょうか。
そんな「あれ、どこだっけ」を解消するソリューションとしてAppleから発売されたのが、こちらのAirTag(エアタグ)。
いわゆる、スマートトラッカーやキーファインダー、紛失防止タグなどと呼ばれる製品です。
というわけで、この記事では、
- AirTagで一体何ができるの?
- AirTagって何が良いんだっけ?
といったことについて書きました。AirTagについてざっと理解してもらうができると思うので、購入を検討している人の参考になれば。
Apple製紛失防止タグ「AirTag」の特徴
AirTagは以前から噂されていた製品ですが、2021年春にようやく発売されました。
AirTagがどんなものかを端的に言うと、失くしたくないものにつけておけば「あれ見当たらない、どこいっちゃったんだろう」というシーンで、音を鳴らしたり、地図上に位置をマッピングして教えてあげまっせというもの。
- 使えるのはiPhoneユーザーのみ
- 電池は約1年持つ。交換はコンビニで売ってる電池でOK。
- 耐水性能有り(IP67等級)
- サイズは約3cm。重さは11g。500円玉より少し大きいくらい。
- ひとつ3,800円。4つセットは12,800円。
言うなれば、お守りみたいなものなので、モノをなくさないって人には何の役にも立ちませんが、モノをなくしがちな人にとっては救世主のようなアイテムとなるでしょう。
ひとつ3,800円、4つパックが12,800円。アクセサリー系を除くと、今買えるものの中では最も低価格なAppleデバイスじゃないでしょうか。
では、そんなAirTagの詳細を見ていきます。
Apple製紛失防止タグ「AirTag」の外観やサイズ感
こちらがAirTag本体。
裏表の関係がよくわからないんですが、ステンレスにリンゴマークの面と、白一色の面。刻印するとこの白い面に入るみたいです。
サイズは500円玉を少し大きくした感じ。
競合製品の場合だと、トラッカーそのものにリングをつけられるようになっていたりしますがAirTagにはそういったものは一切なし。
そのため、どこかに入れるといった使い方をする場合を除いて、AirTagアクセサリーを使う必要があります。
Apple純正、サードパーティなど、すでに様々なものが販売されていますが、基本的に何かが必要になるというのはデメリットですね。
あと、小さいは小さいですがサイフの中ではそれなりに存在感あります。普通のサイフに入れるのは無理だと思ったほうがいいですね。
形は特別おしゃれとかではないような気がするんですが、リンゴマークがついているだけでおしゃれに見えるのはAppleマジックです。
AirTagでできること
繰り返しになりますが、AirTagでできることは「あれ、どこいったっけ?」を解決することです。
モノがなくなったというシーンを大きく2つにわけ、AirTagでできることを解説します。
- 近くに必ずあるはずというパターン
- どこか離れた場所にあるというパターン
2のケースでも、場所を特定して近くに行けば1のパターンになるため、2は1を包含しますが、このどちらのケースにもAirTagが活躍します。
近くにあるパターンはU1チップと音で特定
AirTagは「探す」アプリから使います。「あれ、家の鍵どこ置いたっけ・・?」と思ったら探すアプリを起動。
そして、「持ち物を探す」メニューをタップするとペアリングしたAirTag、つまり持ち物の一覧が表示されます。
持ち物リストの中から探したいアイテムを選択し、「探す」を選択。
「探す」モードを選択すると、こんな画面になります。
なんと、数m以内で、かつ、どの方向にあるかまで表示されます。
近づくと色や大きさ、そしてバイブというフィードバックで付近にあることを教えてくれます。
そして、指示されたまま進んでいくだけであら不思議。探しものが見つかってしまいました。
このように高精度に場所を特定できるのがAirTagの優れたポイントで、これはU1チップによる恩恵です。
U1チップとは、いわゆるUWB(Ultra Wide Band)という技術を使っており、凄まじい精度で対象の位置を特定。その誤差はなんと10cm~20cmとも言われてます。
しかしこれは、iPhoneがU1チップ搭載モデルでなければなりません。
- iPhone 11シリーズ
- iPhone 12シリーズ
U1チップ非搭載モデルの場合この機能は使用できず、次に紹介する「音」で探しものを発見します。
シンプルで最強な「音」
また、AirTagはスピーカーを備えており、iPhoneを操作して音を鳴らすことが可能です。
めちゃくちゃ大音量ではないですが、同じ空間にいれば気づくレベルで音が鳴るので、音の鳴る方を探すことで失くしものが見つかります。
さらに、「Hey Siri、○○を探して」と声で音を鳴らすことも可能です。
もともと紛失防止タグは、この「音を鳴らす」というシンプルでありながらも確実な方法がウリのアイテムです。
U1チップを使った高精度な位置特定は確かにインパクトありますが、障害物に弱いので、音を鳴らした方が早くない?(わかりやすくない?)というシーンがあるのも否めません。
どこかに忘れてきたパターンは巨大ネットワーク網で特定
さて、どこか離れた場所にあるというパターンですが、AirTagをつけたものは探すアプリで地図上にマッピングされているはずです。
これはペアリングした自分のiPhoneとAirTagが最後に通信した場所を表しているわけですが、実はそれだけではありません。
自分のiPhone以外にも、他人のiPhoneのネットワークを使って位置情報を更新しています。
AirTagは常に信号を出し続けており、その信号を誰かのiPhoneが受け取ると位置情報をネットワーク上に送信、その位置を探すアプリ上で確認することができるというわけです。
もちろんやりとりに「誰か」というプライベートな情報は使われません。完全に匿名でやりとりされます。
つまり、iPhoneを持っているユーザー全体で巨大なネットワークを構築するということであり、この点も、Apple製AirTagの優れた特徴のひとつです。
特にiPhoneシェア率が異常に高いこの日本においては、効果的で強力な機能と言えます。
また、紛失モードをONにしておけば、自分のAirTagの近くを通った人に「ここまで連絡して!」と連絡先を表示することも可能。
知らない人に電話番号を表示することになるため普通に考えたらかなり勇気がいる行為ですが、使う使わないは別にして機能としては持ってます。
ちなみに、AirTagは子供やペットのトラッキングには向きません。もし人通りが少ない場所でAirTagが信号を出し続けていたとしても、それを拾うiPhoneは存在しませんからね。
子供の見守り的な用途ではやはりGPSが優れてます。Apple Watchを使いましょう。
悪用はできない・・はず
さて、上記の通り、AirTagは他人のiPhoneを使って位置をどんどん更新します。
じゃあ、気づかない間にAirTagを忍びこまされて、家を突き止められてしまうんじゃないか。と心配になる人もいるかもしれません。
結論から言うと、人を追跡することはできないようになっているとAppleが公式にコメントしています。
そのための対策はいくつかあるものの、どういったタイミングでその機能が働くかの詳細は、悪用を防止する観点から伏せられているようです。
しかし、現状はそういった対策機能がきちんと動作せず、事実上ストーキング的なことが可能であるという見解も出てきています。
このあたりは今後のアップデートで何とかなっていくんでしょう。
しかし、人を追跡して移動していることと、失くしものが意図せず移動していることと(山手線の中に置き忘れたなど)を、見分けるのは結構厄介な課題だと思うんですが、どうなんでしょう。
そこはもう諦めて、動くものの中で失くしたらアウトみたいな仕様になるんでしょうか。
AirTagは何が良いの?
さて、AirTagは同カテゴリの製品としては後発ながら、U1チップを使った超高精度な位置特定、さらには、膨大な数のiPhoneを使ったネットワーク網の使用など、競合製品に比べて有利な点があります。
しかし、これらはAirTagの優れた特徴ではあるものの、そこはそんなに重要じゃないと個人的には思います。
Apple製であるというシンプルで最強の理由
AirTagの何が良いか?と言えば、元も子もない理由ですが、やはりファースパーティーであることじゃないでしょうか。
つまり、「Apple製であること」がAirTagの良さだと僕は思います。Appleデバイスに囲まれている人にとってApple製であることのメリットが大きいのは事実でしょう。
実際に、競合製品がダメかというと実は全くそんなことはありません。むしろAirTagにない優れた機能を持っていたりします。
例えば、同カテゴリの製品で世界No.1のシェアを持つ「Tile」には、Tile側を操作してiPhoneの音を鳴らすという機能があります。これはAirTagにはできません。
また、国内で有名どころといえばMAMORIOもありますね。これは音がならない(スピーカーがない)分、小型で扱いやすい。
さらにMAMORIOは精度の高い忘れ物通知ができます。「あれ?バッグちゃんと持った?忘れてない?」のように、持っているものと一定の距離・時間が経過すると通知してくれるという優れた機能です。これもAirTagにはありません。
まあ他にも、大なり小なり機能差はあるわけですが、とはいえ、とはいえですよ、やはりOSそのものがAirTag用の機能を備えているという事実は圧倒的です。
まずペアリングがとてつもなく簡単。
ペアリングを済ませたあとは、何らかのアプリをインストールする必要もなければアカウントを作る必要もなく、iPhoneユーザーなら必ずもっているであろうApple IDだけで管理できます。さらに、Macから持ちものを探すことも可能です。
OSレベルで組み込まれた専用機能、他デバイスとの連携力など、非常に強力な「他製品を選ばない理由」がそこには存在しているわけです。
実際、「Tile」は、これは不正な競争であるとAppleを非難するという事態にまで発展しています。
さらに、機能面でだけでなくAppleのブランド感といった点でもAirTagを選ぶモチベーションとしては十分でしょう。
「物をなくすかどうかなんてどうだっていい。私はキーリングにつけるリンゴマークを買っているんだ」ということだったとしても、物を買うには十分な理由です。Appleの楽しみ方は人それぞれですからね。
Apple製紛失防止タグ「AirTag」レビューまとめ
というわけで、Apple製のスマートトラッカーAirTagをレビューしました。
AirTagは日常的に使うものではなく、下手したら一度も使わずに電池寿命を迎えることもあるかもしれません。そして多くの場合、使われないほうが望ましいという性質を持つデバイスです。
アクセサリーとして買うならともかく、物をなくすことがほとんどない人は買う意味はそんなにないと思います。
モノをなくしがちな人はもちろんですが、万が一の場合のお守りとして、あるいは、Appleのブランド感を持っていたいという人におすすめです。
というわけで、もし気になったらぜひチェックしてみてください。
今日は以上です。それではまた。
1度目のAirTagの電池交換をしました。交換方法やどのくらい持ったかなど、こちらの記事で紹介しています。
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