こんにちはオガワ(@misc_log)です。
Appleがずっと開発中としていたAirPowerと呼ばれるワイヤレス充電器の存在を知っている人は多いはず。
ところが、長い開発期間を経て「求める水準に達しなかった」ということで開発断念を発表したのは記憶に新しいところ。
しかし、そのAirPowerに最も近い充電器が実はあるんです。
それがこの「NOMAD Base Station Pro」。
同時に3デバイスまで充電可能なパッド型ワイヤレス充電器ですが、パッド型の弱点である「位置調整」を不要にした、まさに「AirPower」と同等の機能をもった製品。
AirPowerなき今、世界で最も高性能なワイヤレス充電器のひとつだと思います。
ということで、「ほぼAirPower」と呼び声高い「NOMAD Base Station Pro」をレビュー。
NOMAD Base Station Proの特徴
NOMAD Base Station Proは最大3台までのデバイスを充電できるパッド型ワイヤレス充電器。
いきなり残念なことを言うとBase Station ProはApple Watchを充電することができず、これがAirPowerとの大きな違い。
ただまあ、結局AirPowerは世に出てないので違いもなにもないんですけどね。
いずれにしろ「ポストAirPower」と言われているワイヤレス充電器の中では、このBase Station Proが最もAirPowerに近いと思います。
最大の特徴は「どこに置いても充電できる」こと。
通常ワイヤレス充電器というものは、デバイス側と充電器側の位置が「うまいこと合わないと」充電状態になりません。
これがワイヤレス充電器の弱点であり、その弱点を解決したのがこのBase Station Proです。
位置合わせがいらない様子を動画にしたので見てみてください。これすごいですよ。
主なスペックはこちら
同時充電 | 最大3台 |
出力 | 最大7.5W |
コイル数 | 18個 |
サイズ | 約14cm × 22cm × 1.3cm |
カラー | ブラック |
価格 | $229.95 |
電源端子 | USB-C(30Wのアダプタが付属) |
ワイヤレス充電器としての使い勝手は言うことなく、外観デザインもさすがNOMAD、超絶スタイリッシュ。
ただやはりネックなのは価格。日本円で約2万4千円はなかなか勇気のいる価格です。
優れたワイヤレス充電器であることは間違いないですが、価格に見合った価値があるかどうかはこの記事などを参考にしてもらいつつ、ご自身で判断してもらえれば。
NOMAD Base Station Proの付属品・外観・デザイン
僕のブログではおなじみのNOMADですが、海外ECからの購入となり、発送は概ね香港から送られてきます。
箱を開けるとBase Station Pro本体。この時点ですさまじい高級感。
本体を取り出すと下に付属品が入ってます。
付属品はとてもシンプルで下記のものだけ。
- 30WのUSB-Cアダプタ
- 編み込みタイプのUSB-Cケーブル(約2m)
- 海外用の電源プラグ
以上、3点。海外用のプラグは日本では使わないので実質2つだけ。
こちらがUSB-Cアダプタ。30Wとしては小さい方ではないですが、まあ標準的なサイズ感。
次にBase Station Pro本体デザイン。これはもうさすがNOMAD。
全体がマットブラックのアルミフレームで超スタイリッシュ。
メインのパッド部分はブラックレザーが使われ、すさまじい高級感。
前面には3つのLEDインジケーターがあり、どの位置で充電されているのか視覚的にわかるようになってます。
後ろにはUSB-Cポート。ここに電源を接続。
底面にはラバーの脚。デスクの上で滑らないように。
サイズは奥行きが約14cm、横幅22cm、厚みは1.3cm。
3台までのデバイスに対応しているだけあって、パッド型ワイヤレス充電器としてはかなり大きい方だと思います。
一方で、厚みは約1.3cmとかなり薄い。充電できる板という感じ。
全体的なサイズ感としてはそれなりに大きいので、デスクスペースはある程度必要になります。
このように、デザイン・見た目に関しては個人的にはパーフェクト。超絶カッコいい。
僕はこれまでBase StationというProがつかない同シリーズのワイヤレス充電器を使っていたのですが、これもデザイン的には大満足でした。
同じようにBase Station Proも、シンプルで高級感ある見た目はやっぱりNOMAD。めちゃくちゃ満足度高い。
もちろん好みもありますし、ブラックしかないという部分で残念に思う人もいるかもしれませんが、完成度の高い美しいデザインは多くの人にぶっ刺さると思います。
NOMAD Base Station Proの充電性能・使い勝手
では、肝心の充電周りについて。
Base Station Proの最も優れたポイントは、「充電されたよね?」といちいち確認する必要がないところ。
前述の通り、通常ワイヤレス充電はデバイスを置く位置がズレると充電できません。
これはワイヤレス充電のそもそもの仕組みに関連していて、簡単にどういうものかを説明すると、充電器側と充電される側の両方に「コイル」が内蔵されていて、それが合わさることで電力を供給しています。
そのため、お互いのコイル位置がズレると電力を送ることができなくなり、充電していたつもりが全く充電されていなかったみたいなことが発生するわけです。
僕はケーブルを使いたくないのでワイヤレス充電に大きく依存しているわけですが、この位置合わせと、たまに発生する「充電されていなかった問題」は、かなりストレスでした。
同じようにストレスを感じている人も多いと思いますが、Base Station Proは米アリゾナの「aira」というスタートアップが作った「FreePowerテクノロジー」という技術を使うことで、この位置問題を解決してます。
わかりやすいのはコイルの数。Base Station Proには実に18個ものコイルを内蔵してます。
通常、複数台充電可能なパッド型充電器でも、せいぜい3つか4つくらいなので、18個がどれだけ異常な数かわかると思います。
このFreePowerという技術により雑に置くだけで充電されるため、いちいち充電されたかどうかを確認する必要も、充電ミスってたということもありません。
もちろん単にコイルが多いというだけでなく、熱問題の回避やコイルの効率的な使用のため、高度なソフトウェアが制御しています。
そのため、Base Station Proはソフトウェアのアップデートが可能です。
専用アプリをインストールしたMacとBase Station Proを有線接続すれば、スマホ新機種への対応やバグフィックス、動作の改善など、様々なアップデートが受けられます。
iOSアップデートしたら充電できなくなったとか、そういった事態にもソフト側で対応できる可能性が高いのは優れたポイント。
ちなみに、NOMADのWebサイトでメールアドレスを登録しておけば、アップデートが必要なときに通知を送ってくれます。
アップデート通知の登録:NOMAD公式サイト
充電するときの注意点
念の為充電するときの注意点を書いておくと、もちろんデバイス側のコイルがパッド内に乗っていないと充電できません。
例えばこういう状態はさすがに無理。
デバイス側のコイルがパッドの上にさえあれば、どんな向きでもどんな位置でも充電可能です。
あと、複数台充電する場合に、ラグが発生する場合があります。
1台目は乗せた直後に充電が始まりますが、2台目は乗せてから充電開始までに数秒かかるときがあります。
どこにデバイスが置かれたのかを判断する処理が走り、その上で該当するコイルを活性化するらしいので2台以上になるとややこしいのかもですね。
そういう意味ではソフトのアップデートで改善しそうな内容である気もします。
まあ、数秒のラグがあるというだけで充電自体には何の問題もありません。
デバイスの充電速度
Base Station Proは他のワイヤレス充電器と同様、最大7.5Wまでの充電に対応してます。
例えば、iPhone 11 Proだとフル充電までに約4時間。
充電スピードは決して早くはないですが、まあワイヤレス充電は今の所このあたりが限界ですね。
そもそも現状は、iPhone自体が7.5Wまでしか対応してないですし。
Qiという規格的にはもっと高出力の仕様策定が進められていますが、技術的にかなり難易度が高いのだと思います。
現時点で高出力を謳うものでも、熱制御のため実際にはそんな高出力ほとんど出てないという話もあるくらいなので、やはり熱との戦いはかなりハードなんでしょう。Appleが諦めたくらいですからね。
ということで、そこまで高速には充電できませんが、デスクにいるときにとりあえず置いとく場所という感覚で使えば便利なのがワイヤレス充電です。
ケーブルの抜き差しはホントめんどくさいですからね。
それが不要になるだけでワイヤレス充電の価値は大きく、かつ、位置の調整、確認がいらないのは毎日の運用を圧倒的に楽にしてくれます。
Apple Watchへの対応
AppleのAirPowerはApple Watchの充電にも対応する予定とされていましたが、前述の通りBase Station ProはWatchを充電することはできません。
ただ、Base Station ProにはApple Watch用のマウントが用意されており、後日無料で送られてくるそうです。
僕の手元にはまだ来てませんが、これを使うことでApple Watchの充電もサポートします。
しかし、このマウントはApple Watch付属の磁気充電ケーブルを取り付けられるという類のものなので、Base Station Proで充電できるようになるというより、Watchの充電器を取り付けられるという方が正確。
正直言ってスマートな状態ではないのでかなり微妙ですが、このマウントでよければApple Watchもサポートできます。
ワイヤレス充電器の究極系 NOMAD Base Station Proレビューまとめ
ということで、Base Station Proをレビューしました。良いところと悪いところをまとめると下記の通り。
充電スピードとケース問題に関してはBase Station Proに限ったことではなくワイヤレス充電器共通の課題です。
問題は最初にも言ったとおり、価格ですね。約24,000円です。
非常にチャレンジングなプロダクトであり、個人的にはこまれで不満に思っていたことが解消されて大満足ですが、ワイヤレス充電器としてはなかなか手が出せない価格だと思います。
「どこに置いても充電できる」のは技術的にすごいことをやってるわけですが、一般的な感覚でいうと「え?それ当然じゃないの?」と思う人がいるかもしれません。
そういう意味では、現状の位置調整が必要なワイヤレス充電にストレスを感じていて、かつ、新しもの好きという人におすすめ。
あとは見た目や雰囲気。高級感があってスタイリッシュなデザインは本当にカッコいい。
もしこのあたりを魅力に感じる人がいればぜひチェックしてみてください。
今日は以上です。それではまた。
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