こんにちはKoh(@misc_log)です。
Appleから最新ワイヤレスイヤホンAirPods Proが登場し、その性能に世間がざわついてますね。
そのざわつきの理由は、期待されていた機能「ノイズキャンセリング」が搭載されたというだけでなく「予想を大きく上回る性能で搭載してきた」からでしょう。
僕自身も「お、ついにノイキャン来たか。それなりに期待」という予約時点から、発売後に実際に使ってみると「うおお!これすっげええ」という感想しかでてきませんでした。
ということでこの記事では、AirPods Proの性能や使用感、個人的に感じたことについて前モデルと比較しつつレビューしています。
基本的に絶賛系の記事であることは最初に断っておきます。
ちなみに、買おうかどうしようか・・と迷っている方向けに結論を言うと、「iPhoneユーザーなら買おう」ですね。
過去モデルからの乗り換えであっても、今回はじめてのAirPodsであっても、AirPods Proは満足できるはず。
AirPods Pro レビュー
iPhone同様に「Pro」の冠がついたモデルが登場したAirPods Proですが、Proは高性能・ハイスペックを示す冠。
従来のAirPodsもこれまで通り販売され、Appleでは「AirPodsファミリー」と表現され分類されてます。
どれが親でどれが子、もしくは兄弟?よくわかりませんが、従来のAirPodsと比べAirPods Proで何が変わったのかというと大きくはこちら。
- 本体形状やサイズが変化
- イヤホンがカナル型に
- ノイズキャンセリング
- コントローラの変更
- 耐汗耐水(IPX4)
他にも変更点はありますが、ざっくりこれらが主なアップデート。
カナル型になったという点に関しては好き嫌いが分かれる部分ではありますが、ノイキャンや耐汗耐水などAirPodsに「欲しかった」という機能が搭載されました。
中でもノイズキャンセリングの性能が本当にすさまじい。
本体の形状・サイズが大幅に変化
AirPods Proはその形状とサイズが従来のモデルから大きく変わりました。
まずはケースですが、身長が低くなり太ったという印象のケースに。
形状は大きく変わり横長に。体積的には若干のサイズアップという感じ。
0.4mm程度厚くなってますが、まあほぼ一緒です。
横長になったことで持った感触は変わりましたが、そこまで大きいとは思いませんでしたね。
AirPods同様、これならズボンのポケットなどに入れて持ち運ぶことも全然可能。
次にイヤホン本体ですが、こちらも大きく形状が変化。
カナル型イヤホンになったという部分については後ほど触れますが、形状としてはいわゆる「うどん部分」が少し短く。
このように背が縮んだことで小ぶりになった印象ですが、耳に装着するドーム部分は一回り程度大きくなってます。
ケースにしろイヤホン本体にしろ、形状が変わったことで持った感触に違いが生まれ、少し慣れが必要かなという感じ。
ただ、思っていたより小さかったという点に関しては運用上とても嬉しいですね。
インナーイヤーからカナル型になり音楽体験が変化
従来のAirPodsはインナーイヤー / 開放型と言われたりするタイプに分類され、今回のAirPods Proはカナル型 / 密閉型と言われるタイプに変わりました。
カナル型になったことにより、耳との密閉感が増し音漏れが少ないというのが大きな特徴。
密閉するので音がよく聴こえ表現力が増す
現在販売されているイヤホンはカナル型が多く主流のタイプであり、AirPodsもそこに加わったということになります。
ノイズキャンセリング云々の前に、インナーイヤー型かカナル型かという時点で「音の体験」は違うので、ノイキャンがなかったとしても従来のAirPodsとは大きく変化。
耳栓する感覚に近いので遮音性が高くなるなど、基本的に音の体験という意味では向上すると考えて良いかと。
インナーイヤー型である従来のAirPodsは外音がどんどん入ってくるので、音に集中できない感じはどうしてもある。
一方で、カナル型となったAirPods Proでは外音がある程度遮断されるため音に集中でき、より豊かな音楽体験ができるようになりました。
ただ、このタイプの違いは好みが分かれる部分でもあったりするので、カナル型が初めてという場合には、どこかでカナル型イヤホンを試してみた方がいいとは思います。
イヤーチップ装着状態のテストができる
イヤーチップにはS/M/Lとサイズがあるわけですが、このサイズが耳に合っているかどうかで音の体験が変わる重要な要素。
どれが最適なのかをチェックする機能がOS側に搭載されてます。
サイズが合っていると判断されれば画像左側の表示、調整が必要であれば画像右側のような表示になります。
僕の場合は基本的にどのサイズを使っても調整表示は出なかったんですが、無理矢理チップをずらしたりしていると右側画像のような表示になりました。
そこまでしっかりとしたテストではない?ような気はしますが、最適なチップサイズと装着具合を判定するひとつの判定材料として使えます。
想像を何歩も超えていたノイズキャンセリング性能
AirPods Proの最大の特徴といえばやはりコレ。
ノイズキャンセリングの性能は、とにかく「ヤバい」です。
「ノイキャン」を知らない方向けに簡単に解説すると、周囲の音(ノイズ)をマイクで拾い、逆の音で「打ち消す」というもの。
これをアクティブノイズキャンセリングといって、いくつかあるノイズキャンセル方法のひとつ
このマイクから周囲の音を拾って、耳に届く前に打ち消します。
これの何が嬉しいのかというと、外部のノイズが低減するので、音がよりクリアに聴こえ音楽体験が大きく向上します。
この曲は「こんな音が鳴ってたのか」という発見があるくらいには、しっかりと音が入ってくる。
このノイキャンの完成度がすさまじく高く、SONYのノイキャンを売りにするヘッドホン「WH-1000XM3」を初めてつけたときのような感動がありました。
ヘッドホンとイヤホンとで比較するべきじゃないと思いますが、ノイキャン自体はこのWH-1000XM3に勝るとも劣らない感じ。
装着した瞬間に「まるで雪国にいるような静寂」を感じられ、あらゆる音がなくなります。
生活環境においてざっと思いつく限りでノイキャンを使うとどうなるのか具体例を挙げてみます。※音楽再生した状態で実生活で検証
隣を歩く人の音 | 消える(革靴はコツコツ聞こえる) |
手元で打つキーボード音 | ほぼ消える |
換気扇の真下での換気扇音 | 消える |
電車に乗っている時の走行音 | やや聞こえる |
ホームアナウンスや発車音楽 | 聞こえる |
幹線道路を走る車の走行音 | まあまあ聞こえる |
カフェなどで隣の席の話し声 | 声が大きい人はボソボソと聞こえる |
カフェ店内の喧騒 | ほぼ消える |
駅のホームなどの発車音楽は割りと大きな音量だと思いますが、あのくらいになると何の音楽かわかるレベルで聞こえます。
電車内のアナウンスは喋っていることはわかるがよく聞き取れない。
人と会話できるかで言うと「難しい」という感じ。
言葉で伝えづらく、音量や状況によって変わるのでイメージでしかないですが、あらゆる外の音が聞こえない、あるいは、こもって聞こえるような状態になります。
なので、逆に言うと周囲の状況を察知する情報が大きく減るので、安全面には注意が必要。
それくらいノイキャンの効果は強烈
まさかAppleがここまでのノイズキャンセリングを作ってくるとは思いませんでした。これはかなりすごい。
外部音を遮断することで音楽への集中度が劇的に向上し、あらゆる環境で好きな音楽をよりクリアな音で楽しむことができます。
このノイキャンがAirPods Pro最大の特徴だと思いますが、もうこれだけで「買っていい」と言いたくなるレベルの完成度でした。
外部音取り込み機能も優れた性能
前述の通りノイズキャンセル性能すさまじく高いAirPods Proですが、外部音を聞き取りやすくするための機能が搭載されてます。
この外部音取り込みモードを使えば、周囲に対して注意を傾けたい時に外部音を聞こえるようにしてくれます。
この機能の完成度がまたすごい。
外部音取り込みモードはそれこそSONYのノイキャン製品にも搭載されてますが、スピーカーを通した音が耳元で聞こえるという感じでした。
つまり、なんか音が不自然なんですね。
それがAirPods Proの外部音取り込みモードは、まるでイヤホンをつけていないかのようなレベルで外の音が自然に聞こえるようになります。
さすがにつけていないはちょっと言い過ぎかもしれませんが、不自然な感じがせずきれいに周囲の音が入ってきます。
買い物をする時のレジ応対など、何かしら周囲に対して注意を向けたいときにはこの機能を使うことで、自然な音を聞くことが可能。
後ほど触れますが、この切替はイヤホン本体の感圧センサーによりON/OFFを切り替えることができます。
OFFというモードもある
ノイキャンモード、外部音取り込みモードの他に「オフ」というモードも搭載されてます。
これは、ノイキャンもしないし、外部音も取り込まない、いわゆる通常のカナル型イヤホンのような使い方ができるというもの。
若干ですがバッテリー持ちがよくなるので、どうしてもバッテリーを尊重したい時にいいかもしれない。
また、ノイキャンって前述の通り安全面に課題があるので、移動時などはオフモード、腰を落ち着けられる状況ではノイキャンONのような使い方はおすすめ。
耐汗耐水でハードな使用に耐える
従来のAirPodsを運動時に使うという人も多かったと思いますが、本来は汗や水に弱い電子機器なので何らかの問題が起きる可能性がありました。
AirPods ProではIPX4という等級の耐汗耐水性能を持ったので、ある程度の汗や水には耐えることが可能に。
水に沈めるとかそういったことはできませんが、一般的な運動時にかく汗程度であれば問題なく耐えられるでしょう。
コントローラがタップから感圧センサーに
従来のAirPodsは本体をタップすることで再生/停止などの操作を行うことができました。
それがAirPods Proでは感圧センサーを押す、というか「つまむ」という感じに変わりました。
ちょっとわかりづらいですが、うどん部の少しくぼんだ部分が感圧センサー。
ちょっと慣れが必要な気はしますが、つまむと「カツッ」という電子的なフィードバックがあるので、操作している感じはわかりやすくなりました。
タップでも僕は満足してましたが、タップ操作だとタップ時に「トントン」と振動が耳に伝わるのでそれがわずらわしい感があると言えばある。
このセンサー部を1回押すと再生/停止などの操作が可能ですが、このあたりは設定次第でいろいろ変更できます。
上記で紹介した、外部音取り込みモードの切り替えはこの感圧センサーを長押しすることでON / OFFが可能。
また、もちろんOS側を直接操作することでも切り替え可能。
さらにApple Watchを持っていれば手元で操作することも可能。
やろうとしなければやらない動作なので突発的な出来事に対応するのは難しいですが、買い物する時や人に話しかけられた時などにすぐにモードを切り替えることができます。
バッテリー持ちは若干ダウン
AirPods Proでノイキャンが搭載されたことによりバッテリー持ちが若干ダウンしました。
イヤホン本体の再生時間が前モデルでは最大5時間であったところ、4.5時間と30分短くなりました。
これはノイキャン、または、外部音取り込みモード使用時という話なので、それらどちらも使わない「オフモード」にしておけば、約5時間という従来と同等のバッテリー持ちになるようです。
ただ、前述の通り、安全面を考慮してオフモードを使うとしてもずっとその状態で使うのであればAirPods Proじゃなくていいわけで、少なからずノイキャンなり、外部音取り込みモードは使うはず。
なので、バッテリー駆動時間はダウンと考えて問題ないです。
まあ、そこまでサイズアップせずノイキャン使用で30分ダウンなら優秀じゃないですかね。
ケースは従来同様の最大24時間
ケースのバッテリーは従来と同様の最大24時間で、イヤホン本体を約5回〜6回弱充電可能です。
また、イヤホン本体を5分だけケースに入れて充電すれば約1時間の再生できるようになるので充電忘れ時に嬉しい。
充電はQiワイヤレスかLightning
前モデルでも対応していたワイヤレス充電にAirPods Proも対応しています。
ワイヤレス充電器が必要にはなりますが、従来モデル同様ワイヤレス充電を使うと有線には戻れない便利さ。
有線で充電する場合はLightningケーブルで。
USB-Cにはなりませんでしたが、付属ケーブルがUSB-C to Lightningになりました。
その割にはUSB-C充電アダプタが付属してないので、持っていなければ従来のLightningケーブルと充電器のセットを使う必要があります。
iPhoneがあるなら恐らく持っていると思いますが、なければ別途充電器を用意する必要があります。
音質は良くも悪くもAirPods
気になる音質についてですが、前モデルに比べるとかなり良くなったと感じます。
カナル型になったことで聴こえ方が変わった部分もあると思いますが、全体的な音のバランスが良くなりましたね。
そういった意味で確かな進化は感じられ音質は良くなったと思う一方、やはりAirPodsの音ではある。
複雑な音は表現しきれていないというか、「音を楽しむ」という意味では全然上がいるとは思います。
好みによるので主観ではありますが、音質には絶対にこだわりたいというならAirPods Proじゃない方がいいかもしれない。
AirPods ProはAppleユーザーにとって最強のワイヤレス
そもそもAirPodsは、そこそこの音で手軽に良質な音楽体験ができるという点が最大の特徴であり、優れたポイントだと個人的には思ってます。
その理由は、OSレベルでの密な関係性による恩恵が大きい。
AirPods Proをフル機能で動作させるにはiOS13.2が必要になります。
AirPods Proに限らず従来モデルでもAirPodsを動作させるためには必要なiOSバージョンというものがあるわけです。
これが何を意味するかというと、OSレベルでAirPods用の機能が搭載されているということなんですね。
▲コントロールセンターのカメラアイコンの上にAirPods Proのアイコンが表示されていますが、専用のコントローラが実装されてます。
他の製品の場合は何らかのアプリをインストールする必要がありますが、OS標準の機能としてコントローラーなどが使えるのはAppleならではであり、やはり連携という意味ではOSレベルで搭載されている方が強いに決まってます。
ケースの蓋を開くだけのペアリング、同じiCloudアカウントにサインインしている端末への一斉ペアリング、アクセスしやすいコントローラー、途切れづらい接続性、その他ソフトウェアレベルでの最適化は、あらゆる面で音楽体験を向上させてくれます。
手軽に良質な音楽体験ができるAirPodsにノイズキャンセルが加わり、より最強になったというのが今回のAirPods Proだと思います。
マーケティング的にはこれを「囲い込み」と言うわけですが、いいんですよ体験が心地よければ。
AirPods Pro レビューまとめ
AirPods Proは予想の上をいくノイキャンを搭載し、大きな進化を遂げ、より優れたデバイスになりました。
Appleがどうとかと言う以前に、「おお、すっげぇええ!」という興奮があるガジェットが僕は好きなんですが、それをド直球に感じる大興奮するデバイスでした。
音質や装着感など好みがあるデバイスではありますが、iPhone・Appleユーザーであればぜひ試してもらいたいワイヤレスイヤホンです。
気になった方はぜひチェックしてみてください。
今日は以上です。それではまた。
コメント
コメント一覧 (5件)
イヤポ2のときのあの
「感激やワクワクがない」不完全燃焼感が解消されてよかったね
はい、今回はワクワクできました!
AirPod pro が欲しいと思った理由は音楽を楽しみたいからではなく 無音状態が欲しいからなのですが音を流さずにノイズキャンセリング機能を使う時はどんな具合ですか? 同じ部屋で人が電話で話しているのがうるさくて聞きたくないのですがそのような用途には適しているでしょうか? 家族がみてるテレビの音がうるさいときにイヤホンから音を聞かずに静かな状態になれるでしょうか。
部屋の広さや周囲の音量にもよりますが、ある程度遮断はしても無音とまではいかないですね。
音楽を流している方がより外音は聞こえづらくなりますが、それでも聞こえる外音はあります。
そういった用途であれば、密閉型ヘッドホンの「SONY WH-1000XM3」のほうがいいかもしれません。
※WF-1000XM3ではなく、「WH」-1000XM3です。
ただし、それでもやはり「無音」にはならないのである程度妥協は必要になると思います。
AirPods Pro よりも高くなってしまうんですね。いろんな商品が出ていてすごいです。参考になりました。ありがとうございました。