こんにちはオガワ(@misc_log)です。
話題のiPad用キーボード「Magic Keyboard(マジックキーボード)」がようやく僕のところにも到着しました。
キーボードが「よりキーボード」らしく、そしてトラックパッドを内蔵し「まるでMacBookのようだ」と注目を集めたデバイス。
気になっている人も多いと思いますが、問題はその価格の高さ。11インチ用でも3万オーバー。
そう、高いんですよ。
高かったとしても得られるものに満足できればそれで良いわけですが、「価格に対する使い勝手に、果たして自分は腹落ちするのか?」ということが気になっているんじゃないかと思います。
思い描く使い勝手と価格に乖離があるというか、「これ・・、キーボードだよね?」って思うじゃないですか。
ということで、使用感や使いどころ、デメリットなど含め、iPad Pro/Air用Magic Keyboardをレビューします。
11インチ
12.9インチ
ホワイトも!
iPad Air / Pro 11インチ | 12.9インチ | |
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iPad Pro用Magic Keyboardの特徴
僕が購入したのはiPad Pro 12.9インチ用US配列のMagic Keyboard。
キーボードとトラックパッドが一体化したのが特徴的。
2018年以降のどのiPad Proでも使用できますが、その他のiPadには対応してません。
カラー展開はなく1種類のみ。税込み価格はこちら。
Magic Keyboardの価格
11インチ用 | 34,980円 |
12.9インチ用 | 41,580円 |
12.9インチであればキーボードに4万以上払うことになるわけで「なんでそんなにするの?」というのがナチュラルな感想なんじゃないかと思います。
Smart Keyboard Folioは2万円くらいで買えるキーボードですが、Magic Keyboardとの違いは、
- Smart Keyboard Folioはキーボード付きカバー
- Magic Keyboardはカバー付きキーボード
という感じですかね。主とするものが入れ替わったというのが個人的な感想。
大きな特徴としては3つ。
- キーボードがあらゆる意味で実用的になった
- トラックパッドが一体化した。
- USB-Cポートが備わった
Magic Keyboard登場により、iPad Proに新たな視点が生まれたのは間違いありません。
外観・デザイン
Appleデバイスですから、質感や高級感は安定のクオリティ。
Apple純正の象徴、背面のりんごマーク。
ただんだ状態はSmart Keyboard Folioと見た目的にはそう変わらないですね。
iPad Proを装着する部分もSmart Keyboard Folioと同じくマイクロファイバー。iPad Pro付け外し時の傷からガード。
かなり強力なマグネットが備えられ、iPad Proが強烈にくっつきます。
接続もSmart Keyboard Folioと同じようにスマートコネクタ。
ここにiPad Proが接続されることでMagic Keyboardが使用可能に。
セットアップはこれだけ。これだけでキーボードとトラックパッドが稼働します。
Magic Keyboardは、そのヒンジ機構によりiPad Proを安定して浮かせます。
使用時の目線が上がるので、Smart Keyboard Folioに比べ使い勝手は良くなるはず。
▼稼働する範囲はこのくらい。思ったより動かないなという印象。
ただ、キーボードとして使う上では、これだけ動けばどんな体勢でも使いづらさはないですね。
キーボードがキーボードらしく
そして肝心のキーボードはシザー式となり、Smart Keyboard Folioと比べるとよりキーボードらしく。
Smart Keyboard Folioはナイロンのような素材でしたが、Magic Keyboardはいわゆるプラスチックに。
キーサイズはインチとキー配列によって差があり、12.9インチに限って言えばBluetoothの「Magic Keyboard」とキーサイズなどほとんど一緒です。(名前が一緒なのでややこしい)
また、Smart Keyboard Folioにない機能として、バックライトを内蔵。これにより、薄暗いところでもタイピング可能。
電源をiPad Proから取ることになるのでバッテリーに影響するはずですが、どの程度かは不明。
キーを打った感触は、最高。これは相当いい。
もちろん好みはあると思いますが、Bluetoothの「Magic Keyboard」が嫌じゃなければ気に入るはず。
キーサイズ、打鍵感、画面の位置など、Smart Keyboard Folioに比べキーボードとしての実用性は高まったんじゃないかと思います。
タイピングするという観点だと言うことない使い心地。この点で言えば多くの人は満足できるかと。
トラックパッドが一体化
Smart Keyboard Folioにない最大の特徴はこのトラックパッド。
iPadがマウス対応した際「待ってました」という声も多かったわけですが、やはり作業によってはマウスなりトラックパッドなり、入力装置があると便利。
アプリによって操作感は異なりますが、トラックパッド特有のジェスチャ操作はもちろん健在。
ただ、サイズがMacBook Proや単体のトラックパッドと比べると小さいので若干使い勝手は違います。
そりゃ大きい方が使いやすさはありますが、これだけ使えれば個人的には不満はないですね。
充電用USB-Cポートが備わった
Magic Keyboardには、正面から見て左側ヒンジ部分にパススルー充電用USB-Cポートが備わりました。
iPad Pro本体はUSB-Cポートがひとつしかないために「充電しながら別の何かを接続する」ということは、USB-Cハブがないとできませんでした。
しかし、Magic Keyboardはこのポートに充電を任せることができます。
iPad Proのポートを充電に取られることなく好きに使えるので、iPad Proの可能性を広げる機構。
iPad Pro用Magic Keyboardの使用感や使いどころ
さて、実際の使用感については先にも書いた通り、ハードウェアキーボードとしてはかなり満足度高い。
ブログのような長文のテキストを書くという意味では完璧に近い使い心地。
トラックパッドがあることで何らかの機能選択や、テキスト内を大きく進む、戻るも簡単に。
やはりトラックパッドの存在は大きい。キーボードショートカットを使うにしても、どうしてもトラックパッドを頼りたいところがあるもの。
簡単なパワポ作成もこのトラックパッドのおかげで作成が容易。図形を入れたり大きさを調整したり。
節々にPC版との操作性の違いはあるものの、実用上は全く問題ない。十分使える。
ただ、キーボードとしてひとつ不満なのは、ファンクションキーがないこと。かな・カタカナの一発変換が欲しい。
ちなみに、Escもないですが「⌘.」(コマンド + ドット)でEscの役割をさせることができるので、多用する僕としては助かりました。
参考:9to5mac
もちろん、どこまで、どんな作業をするかにより、iPadアプリには「できる・できない・やりづらい」があるので、人による部分はあります。
しかし、打ちやすいキーボード、トラックパッドでのコントロール、自分の体勢に柔軟に対応する画面位置など、使い勝手はとてもいい。
そういった観点では「パソコンの領域に大きく侵入した」と思います。
一般的なビジネスユースの一例としては、資料の確認や編集などのドキュメントワーク、そしてコミュニケーションが仕事の中心である場合にはかなり有用なはず。
コミュニケーションツールなど
例えばチャット。
僕もそうですが、ChatWorkであろうが、Slackであろうが、チームや組織で使っていればグループ、チャンネルが複数あって、参加しているんじゃないかと思います。
目を通す、返事や相談をする、依頼・指示する際に、グループやチャンネルの切り替え、テキストによるコミュニケーション全般の生産性は、キーボード+トラックパッドで大きく上がるはず。
メールでも同じ。
iPadなので、もちろんタップすればそれでいいんですが、キーボードから手を離していちいち切り替えるのはそれなりに面倒じゃないですか。
ちなみにSlackで言うと、キーボードショートカットでチャンネルを切り替えることができます。
でも、ショートカットでガツガツチャンネルを切り替えている人って一部ですよね。
Office系ワークもそれなりに
例えば、ExcelやPowerPoint。
PCと同じ感覚で使えるわけではなく、高度な関数やマクロ、複雑なデータ加工を必要とするアナリストが使えるかというとそれは難しい。そもそもアプリ的に対応してない機能も多い。
しかし、送られてくる資料の確認はもちろん、簡単な「編集」であれば可能。
よく見えないと思いますが、このくらいの資料なら作成できます。実績、昨対、構成比みたいな。
シミュレーションシートの数字を対象のクライアント向けに変えるとか、簡単な報告資料を作るとか。
Magic Keyboardでエクセルのセル操作はかなり使いやすくなりました。
パワポでも、営業資料をガッツリ1からつくるという作業も無理ではないと思いますが、PCでやったほうが早い問題はある。
ただ、営業資料がフォーマット化されていて、クライアント名を変えたり、部分的な調整だけになっているパターンは多いですよね。
そういった資料はサクッと調整が可能。
完成度の高いキーボード + トラックパッドがもたらすものは決して小さくない。
モヤモヤするところ
ここまでなら、「絶対買ったほうがいいやつ。以上!」なんですけどね。なかなかに難しい問題もはらんでいるわけですよ。
衝撃的な事実として、iPad Pro + Magic KeyboardはMacBook Air単体より高い。
MacBook Airの下位モデルは税込み「115,280円」です。
iPad Pro 11インチ | 84,800円 |
Magic Keyboard | 31,800円 |
消費税 | 11,660円 |
合計 | 128,260円 |
iPad Proをミニマム構成にしても、Airより1万円くらい高い。もちろんストレージやモデルを変えればもっと価格差は開きます。
もっと言うと、iPad Pro 12.9インチで揃えるなら、MacBook Proの下位モデルより高いですからね。
まあ、これは1から買う場合であってiPad Proをすでに持っているなら無視できる話ではあります。
いずれにしろ、Magic Keyboardの価格の高さはひときわ光り輝いており眩しすぎて直視できません。
もうひとつの難点は重量。12.9インチ用Magic Keyboardの重量は約697g。
iPad Pro本体よりも重く、合計すると約1,389gとなり、Mac並の重さ。
11インチ用はもう少し軽いですが、いずれもiPad Pro本体より重いです。
iPad Proを浮かせてしっかり支えるという意味でしょうがないのだとは思いますが「気軽に持ち運べる!」という感じがするかどうか。
しかしこのあたりは、PCはPC、タブレットはタブレットの良さがあるわけで「いや、タブレットでキーボードを使えることが重要なんだ」という人もいるでしょう。
そう、iPad Proはタブレット。アプリ、あらゆる操作性・体験が、PCとは異なるもの。Apple Pencilも使える。
・・はずなんですが、Magic KeyboardをつけているとApple Pencilが著しく使いづらくなります。
Magic KeyboardをつけたiPad Proは無段階に角度をつけられず、後ろにバタンと倒れません。
つまり、Magic Keyboardをつけっぱなしにしていると、タブレットとしての魅力を一部削ります。
例えば電車内で、タブレットを使うつもりでiPad Proを出したらMagic Keyboardを装着したままで開けないみたいな、スーパーめんどくさい未来も見えます。
僕はこれまでもカバーの使い分けをしてましたが、Smart Keyboard Folioなら、仮につけたままにしちゃってもタブレットとして使えてたんですよね。
ということで、スタンドを必要としない状態でiPad Proを使う場合には、Magic Keyboardの付け外しを求められることに。
そのため、Magic Keyboardはキーボードやトラックパッド、スタンドスタイルで使うことにフルベットしたデバイスと言えます。
まあ、明確に役割があるのはいいんですが、それを実生活にストンと落とし込めるのか?それはよくわからないなと思いますね。
個人的にはこのあたりがモヤモヤしました。
iPad Pro用Magic Keyboardレビューまとめ
完成度の高いキーボード、そしてトラックパッド。この2つの合体技をiPad Proで使えるという点で、出来ることが増えたのは間違いない。ドキュメントワークでの使い勝手は本当に素晴らしい。
実は、外部キーボードと外部トラックパッドで同じ使い勝手を再現することも可能です。しかし重要なのは一体化。
これらはBluetooth接続だし、それぞれの充電管理も必要。そういったことから解放されるのは大きな違い。
完成度の高いキーボード、トラックパッドによる操作性など、iPad Proが大きな役割をもうひとつ手に入れることが出来る優れたキーボードカバーです。
しかし、タブレットとしては失うものもある。
このあたりを自分の中に落とし込めるかが、Magic Keyboardを選択する上でのポイントではないかと。
振り切った使い方としてはこの上ないデバイスだと思うので、ワークスタイルと照らし合わせ検討してみてください。
今日は以上です。それではまた。
11インチ
12.9インチ
その他のラインナップ
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