こんにちはKoh(@misc_log)です。
僕はかれこれ10年以上のMacユーザーなわけですが、MacBook Proが最もよく使うマシンであり、大好きなマシンでもあります。
そんなMacBook Proですが、キーボード周辺でいろいろと騒動が巻き起こっていることをご存知でしょうか。
その対象となるのは、2015年から〜2019年のMacBook / Pro / Airで、この年代のMacには「バタフライキーボード」と呼ばれるものが搭載されてます。
そしてこの「バタフライキーボード」が騒動の中心になっています。
ということで、Macのキーボードには何が起きていて、どういう状態なのか?知っている情報をまとめました。
MacBook Pro / Airのキーボードが調子悪い、壊れた、などで困っている人の参考になれば。
バタフライキーボード問題の経緯
まず「バタフライキーボード」とは何かという事から簡単に解説します。
バタフライキーボードとは
バタフライキーボードとは、2015年モデルのMacBookから搭載された新しいタイプのノート型Mac用キーボード。
高さがなく浅めのキーボードで、打った時の跳ね返りが少ない打鍵感が特徴的。
従来のキーボードからかなり大きなモデルチェンジをしており、打鍵感も大きく変わりました。
個人的には悪くない打鍵感だと感じているんですが「好き嫌いが分かれそうだな」とは思っており、実際に賛否両論あります。
打鍵感はともかく、このバタフライ構造を採用することで従来のキーボードより約40%も薄くなり、Mac自体も更に薄く進化しました。
とても喜ばしく良い話なんです。ここまでは。
ちなみに、2015年以降のMacBook Pro /Airの搭載キーボードを一覧にしました。2019年までの間、バタフライキーボードが次々とアップデートされながら搭載されていたのがわかると思います。
モデル | 世代 |
---|---|
MacBook 2015 | 第1世代バタフライキーボード |
MacBook 2016 | 第1世代バタフライキーボード |
MacBook 2017 | 第2世代バタフライキーボード |
MacBook Pro 2016 | 第2世代バタフライキーボード |
MacBook Pro 2017 | 第2世代バタフライキーボード (実はマイナーアップデートされている) |
MacBook Pro 2018 | 第3世代バタフライキーボード |
MacBook Air 2018 | 第3世代バタフライキーボード |
MacBook Pro 2019 | 第4世代バタフライキーボード |
MacBook Air 2019 | 第4世代バタフライキーボード |
MacBook Pro 2019 16インチ | シザー構造Magic Keyboard |
MacBook Air 2020 | シザー構造Magic Keyboard |
MacBook Pro 2020 | シザー構造Magic Keyboard |
2019年11月に発売されたMacBook Pro 16インチからバタフライキーボードが非採用に。
チリやホコリに弱すぎる構造
はい、で、このバタフライキーボードが一体どうしたのか?端的に言うと「すごく壊れやすい」です。
バタフライキーボードによってMac自体がスリム化したのは喜ばしいのですが、代償に故障が多いという欠点を持ってしまったようです。
故障の原因とされているのは「チリやホコリ」と言われており、内部の隙間に入り込むことでキーが反応しなくなるなどの問題が多発。
実際に僕の周囲でもキーボードが壊れたという話が飛び交ってましたが、みんなMacBook Pro 2016〜ユーザーでした。
これは一体何事なのか、起きている騒動を時系列でまとめてみました。
バタフライ構造キーボードのにまつわる出来事を時系列で
Macのスリム化という光と、故障が多いという闇を一緒に連れてきたバタフライキーボードですが、発表から現在までのバタフライキーボードにまつわる様々な出来事がこちら。
第1世代バタフライキーボードがMacBookに搭載されて発売。
キーボードの様子がおかしいとユーザーがざわつき始める。
そして、Appleがキーボードのお手入れ方法を解説したページを公開。
メンテナンスすることで改善したという声がある一方、お手入れ方法の難易度が高くユーザーが対処しきれないのか、あるいは、そもそもこんなお手入れでは無意味だからなのか、「メンテナンスしたところで何も変わらん」というユーザーの声も。
MacBook Pro 2016に第2世代バタフライキーボードが搭載され発売。
MacBook Pro 2017発売。
搭載されたバタフライキーボードは2016と同じ第2世代バタフライキーボードではありつつも、内部的に少しアップデートされていた模様。
その結果、抱えていたキーボード問題は多少改善されていたとかいないとか。
MacBook、MacBook Pro 2016に搭載された第2世代バタフライキーボードの様子が完全におかしいという事でネット上に阿鼻叫喚の声が続出。
ここまで来ると使い方ではなく設計上の問題であり、Appleはユーザーに何らかの対応をすべきだと多くの苦情が生まれ、リコールを求める署名運動が行われるまでに発展。
ちなみに、キーボード問題で修理を余儀なくされたユーザーには、MacBook Pro 2017に搭載されたアップデート版の第2世代バタフライキーボードに換装されたとの噂。
僕が新しいMacを購入するにあたり、MacBook Pro 2016を持つ知人に「キーボードが故障したことあるか?」と質問。
結果、「故障したことがある」との回答を受ける。サンプル数 2 / 2。得体の知れない恐怖を感じる。
特定のMacBookやMacBook Proのごく一部のキーボードに、文字が反復入力される、押したキーが返ってこない、というか打てない、などの問題が発生する場合があるということで、キーボード修理プログラムが開始される。
内容は、対象モデルのキーボードに不具合があった場合、無償で修理を行うというもの。
もちろん修理に出している間PCは使用できなくなる上に、キーボードがモデルチェンジされるわけではないと思われるため、根本的な対処と呼べるのかどうかが怪しいと話題に。
MacBook Pro 2018が突然発売。
第3世代バタフライキーボードとなり、キーボード内部にシリコン膜が設置される。
ちなみにAppleは、このアップデートはホコリ対策ではなく「静音化」を目的としたものであるとコメントしています。
MacBook Airに第3世代バタフライキーボードが搭載されて登場。
この第3世代バタフライキーボードも、どうも様子がおかしいとざわざわする。
Appleが「第3世代」バタフライキーボードについて、「一部のユーザー」が問題を抱えていることを認識していると謝罪。
しかし、第1世代、第2世代で発生していた問題には言及せず、「あくまでも一部であり、大多数のMacユーザーは問題ない」とも言ってます。
MacBook Pro 2019発売。第4世代バタフライキーボードとなる。
バタフライキーボードのパーツに新素材が使用され、これまではシリコンだった素材がナイロンポリマーに変わっていた。
さらに、キースイッチの構造にも変更の後が確認されたようで、これまでの問題を大幅に軽減できる改良版となった模様。
新MacBook Proキーボード、iFixitがさっそく分解。信頼性を向上させる「新素材」が判明
しかし、同時にキーボード修理プログラムが拡大され「バタフライキーボード」を搭載したMac全モデルが対象となった。
発売したばかりのMacBook Pro 2019も対象に含まれるという謎の事態に。
MacBook Pro 16インチ発売。
バタフライキーボードではなく、「Magic Keyboard」というシザー構造のキーボードが採用された。
バタフライキーボードは「やめる」という選択が行われ、これ以降に発売されたMacはシザー構造の「Magic Keyboard」という新キーボードとなる。
バタフライキーボード問題のゆくえ
結局何がどうなってるんだという話なんですが、まず、MacBook Pro 2016 /2017あたりの第1世代、第2世代バタフライキーボードは結構ヤバいと思います。このあたりが一番トラブルが多そう。
内部的にちょいちょい改善を加えているようですが、どうにもなってない感が溢れてます。
第3世代バタフライキーボードで若干の改善が見られましたが、やはり様子がおかしい。
実際に、2019年3月には第3世代バタフライキーボードの一部のユーザーが問題を抱えているとし、Appleが謝罪しました。
そんな中、2019年5月に第4世代バタフライキーボードを搭載したMacBook Pro 2019発表。
同じタイミングで「キーボード修理プログラム」が拡大され、なんと発売したてのMacBook Pro 2019も対象になるというわけのわからない事態に。
つまり、数の大小はあれどバタフライキーボードは問題が発生する可能性があるよということなんでしょう。
そして、2019年11月に発売されたMacBook Pro 16インチでは、シザー構造の「Magic Keyboard」が採用に。
以降、発売されたMacも同様にMagic Keyboardが搭載されています。
つまり、バタフライキーボードは「もうやめる」という選択が行われたことになります。
MacBook Proのバタフライキーボード問題まとめ
ということで、バタフライキーボードにまつわる様々な出来事を書きました。
とにかく現状は、バタフライキーボードを搭載している全Macがキーボード修理プログラムの対象になってます。
もしキーボードに不調を感じたらキーボード修理プログラムを確認し、サポートに連絡してみるのが最も有効な手段というか、それしかありません。
しかし、キーボード修理プログラムは、保証期間外であっても修理代がタダになるというだけで2回、3回と同じ障害に遭遇する可能性がなくなるものではなく、根本的な解決になるのかわかりません。
修理プログラムによって、「問題の少ない新世代のバタフライキーボードに換装してくれればいいんじゃないの?」と思うんですが、第1世代、第2世代を第3世代以降に載せ替えるということは構造的にできないようです。
なので、第1世代や第2世代バタフライキーボードユーザーはより不遇な気がするんですがどうなんでしょう。
いつかキーが効かなくなるその日を黙って迎えるのは嫌過ぎるので、僕は「キーボードカバーをつけて使う」という対策をしてます。
MacBook Pro 2017を買った時点からキーボードカバーをつけてますが、現在までにキーボードの効きが悪い、あるいは、効かないといった問題は発生してません。
そのため一定の効果はあるのだろうなと個人的には思ってます。
本当はキーボードカバーとかつけるの嫌なんですけどね、キーがいきなり効かなくなるより全然いいので。
バタフライ搭載Macを買った全員がこの問題に遭遇しているわけではないでしょうし、どこまで気にする必要があるのかは難しいところですが、何かの参考になれば幸いです。
今日は以上です。それではまた。
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