こんにちはオガワ(@misc_log)です。
iPhone 12シリーズから搭載されたMagSafe。iPhone 15シリーズにおいても引き続き採用されています。
このMagSafeにより「iPhoneの背面にくっつける」といった、新しいカタチでのワイヤレス充電が可能になりました。
そしてAppleから発売されているのが「Apple MagSafe Charger」
聴診器のような見た目ですがこれがペタっとくっついてiPhoneを充電できます。
ということで、このMagSafe充電器は実際どうなのか?レビューしたいと思います。
- MagSafe充電で何がどう便利なの?
- 充電早くなるの?
- ケースつけていても使えるの?
- iPhone 12以降じゃないと使えないの?
- MagSafe充電のデメリットは?
- 結局、MagSafe充電器は必要?
などなど、主にこんな内容を書いてます。
個人的には、最初こそ微妙だったんですが最近はMagSafe充電を中心に運用するほど必須アイテムになりました。
MagSafeってどうなの?と、気になっている人は多いと思うので何かの参考になれば。
iPhoneのMagSafe充電は何がどう便利なの?
MagSafeとは充電だけを指すものではなく、充電を含めた周辺機器やアクセサリーのための規格です。
iPhoneの背面に備えられたマグネットにより「何かをくっつける」ことができ、充電はそのひとつの使い方という感じ。
実際に純正・非純正問わずさまざまなMagSafeアクセサリーが登場しており、純正MagSafe充電器としてAppleから販売されたのがこのMagSafe Chargerです。
充電器内部にマグネットを内蔵しており、iPhone側のマグネットとお互いが引き寄せ合いピタッと吸着して充電できます。
一般的なワイヤレス充電規格である「Qi」と互換性があるので、iPhone 12シリーズ以外でも使用可能です。ただし条件付き。このあたりは後述します。
「で、それがどう便利なの?」ということについては、これまでのワイヤレス充電にどんな課題があったのかを知る必要があるのでざっくりと説明します。
MagSafe充電は、iPhoneのワイヤレス充電にまつわる3つの課題を解決してます。
- 位置調整がほぼ必要なくなった
- 出力が7.5Wから15Wになった(iPhone 12 miniは12W)
- ながら充電が可能になった
ざっくりこの3つ。
位置調整がほぼ必要なくなった
ワイヤレス充電器とワイヤレス充電に対応したiPhoneには「コイル」が内蔵されており、お互いが合わさることで充電を可能にしています。
もちろんもっと複雑な原理原則があるわけですが、簡単に言うとこのコイルの位置が「いい感じに合わさらないと」充電状態になりません。
そのため、パッド型のワイヤレス充電器で正常に充電するためには位置合わせが必要でした。
位置調整して「ちゃんと充電状態になったよね?」という確認をしておかないと、充電ミスってたみたいなことはワイヤレス充電あるある。
ところが、MagSafeはマグネットでお互いが引き寄せ合うため、基本的に貼り付けば充電状態になります。
ということで、わずらわしい位置調整がほぼ必要なくなったのが、MagSafe充電の恩恵のひとつ。
出力が7.5Wから15Wになった
iPhoneの場合、従来のワイヤレス充電は最大7.5Wという出力にしか対応していませんでした。
しかしMagSafe充電では倍の15Wに対応。従来のワイヤレス充電に比べ充電速度が早くなります。
ながらワイヤレス充電が可能になった
従来のワイヤレス充電では、iPhoneを使いながら充電することができませんでした。
正確に言うと無理じゃないんですが、簡単な操作くらいじゃないと使いづらくてしょうがないです。
スタンド型のワイヤレス充電器の方がまだ操作はしやすいですが、乗せておかなければならないのは一緒なのでやっぱり操作感は微妙。
一方で、MagSafe充電器は背面に貼り付くため、充電しながらiPhoneをガンガン使うことができます。
Apple MagSafe充電器レビュー
MagSafe充電がどんなものかわかったところで、Apple純正MagSafe充電器の詳細をみていきます。
外観・サイズ
外観的に最も近いのはApple Watchに付属している磁気充電ケーブル。それをそのまま大きくした感じ。
パッド部分は周囲がアルミフレーム。中央の白い部分はちょっとゴムっぽい感じの柔らかい感触。
端子はUSB-C。
電源アダプタは付属していないので、別途20W以上の電源アダプタが必要。
ケーブルの長さは1m。現状1種類しか売ってないんですが、もうちょっと長いのもあると嬉しかった。
パッド部分のサイズは直径約5cmちょっと。
持ち歩くかどうかは別として、持ち歩くのがイヤになるサイズ感ではないですね。
厚みは約5mm。Apple Watchのものよりかなり薄い。
裏側はただのアルミの板という感じで、特に何の感想もありません。リンゴマーク印字しておいてくれたらよかったのにって思うくらいですかね。
マグネット充電・充電速度
iPhone 12 Proで実際にマグネット充電を試してみました。
まず、磁力に関しては結構強いですね。近づけると吸い込まれるように「カチッ」とくっつきます。
そして一度くっついてしまえば、ぶら下げるようなことをしても外れません。
これだけ強力ならちょっと触ったくらいでは外れないと思うので、気づいたら充電されていなかったという事故は減りそう。
そしてMagSafe充電のメリットのひとつである「ながら充電」も快適。
MagSafe充電器が薄いため握ってもそこまで違和感はないですが、多少異物感はありますね。
ながら充電は、横向き使用時の方が便利だと思います。ケーブルを下や上にすることができるし、iPhoneの操作を邪魔しない。
横向きのゲームをプレイするときに良さそう。
MagSafeで15W出力を得るためには条件がある
で、肝心の充電ですが、もちろんくっつけるだけでちゃんと充電状態になります。
バッテリーが空になったiPhone 12 Proを2時間充電してみました。結果はこちら。
経過時間 | バッテリー |
---|---|
スタート | 0% |
10分 | 10% |
20分 | 18% |
30分 | 26% |
60分 | 45% |
120分 | 71% |
有線によるiPhoneの急速充電は30分で約50%まで回復することが可能なので、それにはもちろん及びません。また、ずっと15W出ているわけではなく上下はしていますので、こんなものかなという感じですね。
そして実は、最大15Wを出すためには電源アダプタに条件があります。Apple公式にガイドが公開され、下記の通り条件が記載されています。
- USB-Cで充電すること
- 9 V/2.22 A または 9 V/2.56 A 以上のアダプタを使うこと
とあり、条件を満たしているアダプタを使う必要があります。純正の20WアダプタかAnker PowerPort III Nano 20Wであれば対応しています。
家に転がってるアダプタのどれを使っても良いわけではないのが面倒ですね。
外すときは、MagSafe充電器を持って剥がすようにすれば割と簡単に外れます。
ケースをつけていても使える?
MagSafe対応ケースと非対応ケースがありますが、対応ケースはもちろん使用可能。
そして、非対応ケースであっても充電自体は可能です。
まだiPhone 12 Proのケースを持っていないので、iPhone XS Max用のApple純正シリコンケースにiPhone 12 Proをつけて試してみましたが、充電は問題なくできました。
ただ、マグネットの吸着力がほぼ消滅しますね。加えて、15W出ているのかは怪しい。
さらに、ケース素材や厚みによっては充電さえできなくなるはずです。金属系のケースとかは厚み関係なくアウト。
ということで、ケースによっては使えなくはないですが、基本的には「対応ケースで使うもの」と考えておく方が無難だと思います。
iPhone 12 Pro用シリコンケースのレビューはこちら
他のiPhoneでも充電は可能
前述の通り、iPhone 12以外でもMagSafe充電器で充電することは可能です。しかし条件付き。
まず、対応しているiPhoneはこれらのQi充電に対応している機種。
- iPhone SE (第 2 世代)
- iPhone 11 / Pro / Max
- iPhone XS / Max
- iPhone XR
- iPhone X
- iPhone 8 / Plus
これらのiPhoneなら充電することはできますが、iPhone側にマグネットが入ってないので微妙にしかくっつきません。
無理じゃないんですが、簡単に動いたり外れたりするので結構微妙。
加えて、iPhone 12シリーズ以外だと15Wは出ません。Qi充電と同じく7.5Wあたりになっていると思います。
試しにiPhone 11 Proを充電してみましたが、30分で1%→18%くらいなので激遅です。
そういう意味では、やはり本領発揮するのはiPhone 12、iPhone 13シリーズで使ってこそ。
それ以外なら普通にQi対応のワイヤレス充電器を使う方が全然マシじゃないかと個人的には思います。
MagSafe充電の微妙なところ
最後にMagSafe充電器の微妙なところを。
なんか固定するものが欲しい
Apple Watchの磁気充電ケーブルもそうなんですが、個人的にはどうもおさまりが悪いと感じるんですよね。
一般的なパッド型ワイヤレス充電とか、スタンド型ワイヤレス充電器などは固定して使うものとして作られてます。
一方でMagSafe充電器は、どこかに固定して使う感じじゃない上に、つけ外し時に動いちゃうのでなんかおさまりが悪い。どこかに固定したい。
Apple Watch用の充電器も結局単体では使いづらいので、みんなこういった充電スタンドを使ってるわけじゃないですか。
とはいえ、固定されず動かしやすいからこそ「ながらワイヤレス充電」が可能になるわけですが、そもそも、ながら充電はLightningケーブルでいいんじゃない?と思うんですよ。
Lightningなら20W出力ですが、MagSafeだと15Wになっちゃうし、現状ケーブルが1mのタイプしか売ってないので、ながら充電するにももう少し長さが欲しいときもあるじゃないですか。
USB-Cの延長ケーブルをわざわざ買うのも微妙だし、そもそもこれ1台運用はキツイので複数買おうと思ってもLightningケーブルのように気軽にいくつも買える値段じゃないですし。
まあ前述の通り、横持ちでの「ながら充電」には一定のメリットがあるとは思いますけど。
ケーブルの抜き差しから解放されるのは確かに大きなメリットだし、かつ、iPhoneで15Wというワイヤレス充電は他にないのも事実ですが「なんか惜しい」という感は否めない。
周辺アクセサリーとセットで便利に!
このように、個人的には最初こそ微妙な評価だったMagSafe。しかし、使い込むうちになくてはならないものに変わっていきました。
その理由は周辺アクセサリーが充実してきたからですね。僕の場合はMagSafeスタンドを使うことでめちゃくちゃ便利と感じるようになりました。
今使っているのはGrovemadeのMagSafeスタンド。デスクでは必ずここでiPhone 13 Proを充電してます。
僕が使ってきたMagSafeスタンドをまるっとまとめているのでこちらの記事も合わせてどうぞ!
また、MagSafe充電のメリットのひとつであるながら充電はケーブルがうっとおしいので馴染めず・・・。しかし、MagSafeモバイルバッテリーが出てからは評価がガラリと変わりました。
モリモリ充電を回復することはできないんですが、バッテリー維持や微増という観点では最強だと思います。
個人的にはMagSafeモバイルバッテリーが良すぎたのでいろいろ試しました。その結果をランキングにしてますのでぜひあわせてどうぞ。
こういったアクセサリーや周辺機器が出揃ってきたことで使い勝手が大きく変わりましたね。
現時点で購入できる、発表されているMagSafeアクセサリーもまとめてます。よければ合わせてどうぞ。
MagSafe充電器は必要か?
あってもいい、なくてもいい、という感じのMagSafe充電でしたが、個人的にはなくてはならないものになってます。主な理由はこの2つ。
- 貼り付けるだけ。位置ずれがない
- 従来のワイヤレスより充電速度が速い
MagSafe充電器は、シンプルに「ケーブルを使いたくない」人に刺さると思います。
貼り付けるだけで付けるのも外すのも簡単。そして、それなりの速度で充電できるのはMagSafeの良さ。
一方で、ながら充電目当てだと、横向きで使う場合なら・・という感じでしょうか。縦で使うならLightningによる有線充電でいいのではと思います。
Apple MagSafe充電器レビューまとめ
実は、AppleがMagSafeという名称を使うのはこれが初めてではなく、旧モデルのMacBookシリーズに採用されていた電源コネクタもMagSafeという名前でした。
それはそれは優れた機構で、個人的に、MacのMagSafeは人類史に残る偉大な発明のひとつだとさえ思っているんですが、iPhoneのMagSafeも今後そうなっていくのかもしれません。
MagSafe充電もいろいろ感じるところはありますが、iPhoneを15Wで充電できるワイヤレス充電器は貴重なので、興味がある人はチェックしてみてください。
今日は以上です。それではまた。
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