こんにちはオガワ(@misc_log)です。
M1 MacBook AirやProは外部ディスプレイ出力が1台までしかできません。仕様として制限がかかっています。
なんと、それを突破できるのがこの「Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1」。
2つのHDMIポートに加え、M1マシンの1台出力制限を突破できる機能まで備えた貴重なアイテム。
Satechiよりサンプルを送ってもらったので、M1マシンで本当にモニター2台出力ができるのか?詳しくレビューします。
Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1の特徴
Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1は、デザインはもちろん機能でも優れた製品を多く販売するSatechiから登場したM1 Mac用に特化したUSB-Cハブ。
- M1 MacBook Air / Proでも2台のディスプレイ出力可能
- 豊富な10ポートを搭載
- USB-Cハブとは思えない美しいデザイン
M1 MacBook Pro / Airは外部ディスプレイの出力が1台までに制限されています。これには不満を感じている人も多いはず。
実は、このSatechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1はその制限を突破することができちゃいます。2つのHDMIから2台のディスプレイ出力 + MacBookのディスプレイで「夢のトリプルディスプレイ」を実現するUSB-Cハブ。
制限突破と聞くと、詳しい人は「DisplayLink」を真っ先に思い浮かべると思います。しかし、このUSB-CハブはSiliconMotion社の「InstantView」という技術で実現しているようです。
詳細な違いは不明ですが根本的な技術は同じのよう。そのため、DisplayLinkと同じ注意事項があります。この点は後ほど紹介します。
10個ものポートを備えており様々な用途に活躍するだけでなく、Satechiらしい美しさを兼ね備え、使うテンションまで上げてくれるアイテム。
あくまでも個人的にはですがMac別のおすすめ度はこんな感じ。参考まで標準のディスプレイ出力仕様も記載します。
デバイス | ディスプレイ出力 | おすすめ度 |
---|---|---|
M1 MacBook Air | 1台 | ◎ |
M1 MacBook Pro | 1台 | ◎ |
M1 Pro MacBook Pro | 2台 | ○ |
M1 Max MacBook Pro | 4台 | ○ |
その他2016年以降のMac | Macによる | ○ |
HDMI×2ポートを持っているUSB-Cハブはそもそも珍しいため、どのMacBookで使っても価値を感じることはできると思います。
しかしやはり「InstantViewテクノロジー」を使ったM1 MacBook Pro / Airでの2台モニター出力が魅力。
というわけで、より詳しく性能を紹介していきます。
Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1の外観やポート構成
まずは備えているポートと位置を紹介します。
おしりにあたる部分に2つのHDMI。片方が4K60Hz、片方が30Hzです。
ポート一覧
USB-C | Mac給電用 × 1(最大100W)※ハブに15W データ転送用 × 1(最大5Gbps) |
USB-A | 2ポート(最大5Gbps) |
HDMI | 2ポート(4K@60Hz、4K@30Hz) |
Micro SDカード | 1ポート |
SDカード | 1ポート(UHS-I) |
3.5mmオーディオ | 1ポート |
有線LAN | 1ポート(1Gbps) |
圧巻の10ポート。これだけポートがあるので本体サイズが大きめ。高さで言うとiPhone 13 Proよりわずかに低いくらい。
手に持ったときの存在感はかなりのものです。
重さも約177gとiPhone並・・とまではいかないもののスマホ的な重さ。
MacBookとの接続ケーブルは接続部まで含め約15cm。
正面にはスリットの入った特徴的なデザイン。Satechiのロゴがカッコいい。
背面には各仕様表示。
重厚感あるアルミニウムでわずかに丸みのある本体。Satechiらしい仕上げの美しさでMacと相性抜群です。
Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1のポート性能
では、各ポート性能を詳しく見ていきます。まずは目玉機能であるディスプレイ出力から紹介します。
M1 MacBookでも禁断のディスプレイ2台接続!
2台のディスプレイに出力するためには事前準備が必要。「InstantView」というソフトをインストールする必要があります。
実はこのソフト、ハブのなかに保存されています。どうやらストレージ機能を持っているよう。
特に難しくはないですが、Satechi公式にインストールガイドが用意されているので合わせてどうぞ。
M1 MacBook ProにこのソフトをインストールしてHDMIを2つ接続してみると・・、見事に映りました。
あっさりとM1 MacBookにおける3台ディスプレイが誕生。ちなみに、これもちろんミラーリングではなく「拡張ディスプレイ」です。
ただし、4K60Hzで接続できるのは1台だけ。もう1台は4K30Hzになります。後述しますがこれはInstantViewの制限です。
このようにめちゃくちゃ広々とした画面スペースが手に入るので、作業効率を上げたい人にはたまらない環境。
MacBookへの給電は85W(最大100W)
MacBookへの給電は2つあるUSB-Cの片方で。
最大100Wですが15Wをハブに取られるためMacへは85Wの給電になります。
Anker Nano II 65Wを使ってこのUSB-Cハブに接続してみたところ約49Wとなっていたのでだいたい15,6W取られるみたいですね。
というわけで、各MacBookの推奨W数で充電しようとするとそれより+15Wのアダプタが必要です。下記表の推奨W数に+15Wあたりを目安にしてください。
デバイス | 推奨W数 |
---|---|
MacBook Air 13インチ | 30W |
MacBook Pro 13インチ | 61W |
MacBook Pro 14インチ ※M1 Pro 8コア | 67W |
MacBook Pro 14インチ ※M1 Pro、M1 Max | 96W |
MacBook Pro 15インチ | 87W |
MacBook Pro 16インチ | 96W |
MacBook Pro 16インチ ※M1 Pro、M1 Max | 140W |
データ転送は全て同じスペック
Satechi USB-C マルチ MXハブのデータ転送ポートはUSB-Cが1つとUSB-A×2の合計3ポート。全て同スペックで最大5Gbpsとなります。
どっちを使ってもスペック上は同じなので機器に合わせてUSB-CとAを自由に使い分けできます。
USB-Cに外部ストレージをつけて速度を測ってみたところこのくらい。仕様通りという感じですね。
念の為ですが、USB-Cポートはデータ転送専用となり映像出力には非対応なのでご注意ください。
オーディオジャック・有線LAN・SDカードリーダー
珍しいことにSatechi USB-C マルチ MXハブは3.5mmオーディオジャックを備えています。
M1 MacBook Pro / Airのオーディオジャックが向き的に使いづらいなんてときに便利かもですね。
Apple Musicで再生・停止から音量操作を試してみましたが正常に動きます。もちろんマイクも使えるのでZoomにもOK。
そして1Gbps対応の有線LANは少しでもネットワークを安定させたい人には欠かせないポート。僕もPCはずっと有線LANです。
また、SDとMicroSD両方のカードリーダーまで備えてます。なお、カードは一度に使えるのはどちらかひとつずつになるためご注意ください。
Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1の残念なところ
さて、では最後に残念なところを紹介して終わります。大きく3点あります。
M1における2画面出力は制約もある
まず映像出力関連の注意点。これはSatechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1というより「InstantViewテクノロジー」、ひいては、M1 MacBook Pro / Airで2画面出力する場合の共通した注意点です。
このハブを使えば2画面出力可能ではあるものの、本来の仕様的に塞がれているものをこじ開けますからちょっと変わった方法を取っています。そのため、下記のような制約が生まれます。
- Apple TVなどのDRM(著作権保護)された映像が見られない
- Apple Watchでのロック解除ができなくなる
- 4K60Hzは1台のみ。もう1台は30Hzとなる。
主なものはこんな感じ。
Apple TVを再生するとこのように真っ暗な画面をみるだけになります。InstantViewを起動しているとどの画面でもこうなります。
ただしこれはアプリ版のみなのでChromeなどのブラウザを使って見る分には問題ありません。ブラウザさえ通せばNetflixやプライムビデオだって大丈夫。
次にApple Watchでのロック解除が行えなくなります。そして、これについては諦めるしかありません。具体的にはロック画面でこんな表示になります
ちなみにこのとき画面右上に「監視されています」とか怖い表現がありますが大丈夫です。こういうものです。監視はされていないのでご安心ください。
モニターの縦表示とかも可能なようですし、1台制限突破そのものはM1 MacBook Pro / Airをより拡張する優れた機能ではあります。
しかし、このような感じで通常の複数画面出力とは異なることは把握しておくほうがいいですね。
結構発熱する
USB-Cハブは熱を持つものですが、Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1は他に比べて高温になります。特に2画面出力時。
僕が観測した範囲では約46度くらい。一般的なハブだと40度そこそこくらいです。
46度はずっと触ってはいたくない温度感です。もし、熱いものを触る認識なくふと触ると「あつっ」って言うやつです。やけどするようなレベルではないですが、あまり気持ちのいいものではありません。
一応発熱の対策はされていて、恐らくこのスリットのデザインはヒートシンクと同じ放熱フィン構造なんだと思います。放熱効率を上げているわけですね。
まあそもそもハブやドッキングステーションは発熱するので、できれば風通しのいいところに置きましょう。
10Gbpsポートがない
このハブのデータ転送ポートは全て5Gbpsとなってます。
5Gbpsは別に悪くはないんですが速度的には普通という感じ。1万円後半という価格感を考えるとひとつくらい10Gbpsポートがあると良かったなと思いますね。
もし高速ポートが必要ならSatechiには他にも優れたUSB-Cハブがあるのでそちらを検討してもいいかなと思います。
また、他にもMacBook Pro / AirにおすすめなUSB-Cハブをまとめてますので合わせてチェックしてみてください。
Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1レビューまとめ
以上、Satechi USB-C マルチ MXハブ 10-in-1をレビューしました。
HDMI×2ポートをもつUSB-Cハブは非常にレア。加えて、ただHDMIが2つあるわけではなくInstantViewテクノロジーでM1 MacBook Pro / Airでも2画面出力を可能にしているのが優れた特徴のアイテム。
繰り返しになりますが、やはり個人的にはHDMI×2に魅力を感じる人が使うべきUSB-Cハブかなと思います。M1 MacBook Air / Proを使っている人はぜひチェックしてみてください。
今日は以上です。それではまた。
コメント